不登校の期間が長くなると
「結局なにも変わらない」と思ってしまう日が増えます。
でも、変化は声をかけてこない形で起きていました。
子どもが朝ごはんを食べに出てきた日。
テレビの前に座った日。
夜更かしの時間が10分短くなった日。
それらはすべて、心が外に向かいはじめた合図でした。
変化は「行動」ではなく「空気」に現れる
ある日、リビングに置いてあったペットボトルが一本減っていました。
いつのまにか、自分で飲み物を取りにきたのです。
それだけで、私は少し泣きそうになりました。
変化は、言葉より先に「空気」で伝わります。
足音、ドアの開くタイミング、視線の流れ──
それらを感じ取れるようになると
親の不安はすこしずつ薄れていきます。
見守るとは、反応しすぎないこと
ほんの小さな行動変化に
「すごいじゃない!」と声をかけたくなるのが親心。
でも、時にそれがプレッシャーになることもあります。
私は「気づいても気づかないふり」を覚えました。
子どもの世界では、“何も言われないこと”がいちばんの安全信号になるのです。
小さな変化を日記に残す
「今日は少しだけ笑った」
「外の空を見ていた」
そんな小さなことをノートに書き留めていくと
時間の中に“回復の軌跡”が見えてきます。
その記録は、親にとっても励ましになります。
焦りそうになった時に読み返せば
ちゃんと前に進んでいることを思い出せるからです。
いま思うこと
変化は大きな音を立ててやってくるわけではありません。
静けさの中に、小さく息づいています。
親がそれに気づけるようになると、
子どもも安心して自分のペースを取り戻していきます。
「焦らなくても、ちゃんと動いてる。」
そう信じられるようになると、
親子の時間がやっと優しく回りはじめるのです。

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